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ミヤマシケシダとハクモウイノデを併せて広義にミヤマシケシダと呼ばれていたが,現在はミヤマシケシダの仲間は承名変種のミヤマシケシダ(Deparia pycnosora var. pycnosora),とハクモウイノデ(var. albosquamata),とウスゲミヤマシケシダ(var. mucilagina),の3変種に分けられている.さらに、それぞれを独立の種として扱う意見もある.ここではこの独立の意見にしたがった.この場合は次のようになる.
ミヤマシケシダ(D.
pycnosora M. Kato)は葉柄が短く、葉身と同長〜1/3ほどで,鱗片は基部に密生.葉身裏面に腺毛はない.北海道,本州.
ハクモウイノデ(D. albosquamata M. Kato)は葉柄は太く,長さ22cm以下と短く,葉身の長さの1/3,ながくとも半長程度,わら色か赤紫色を帯び半透明の鱗片と毛を密につけ,基部の鱗片は披針形〜卵状披針形,褐色〜暗褐色.
山地の湿った林床に生育する夏緑性シダ.根茎は径5cmに達し,分岐せず,葉を叢生する.
葉身は長さ65cmに達し,長楕円形〜倒披針形,2回羽状深裂,先は急に狭くなり鋭尖頭,基部に向かってしだいに狭くなり,基部羽片は極端に短い.
葉面は淡緑色で柔らかく薄い草質.中軸,羽軸,裂片中肋は有毛.羽片は線状披針形,先は急に狭くなり鋭尖頭.裂片は重なり合って見えることがあり,長楕円形,鈍頭〜円頭,全縁〜鋸歯縁,裏面には時に腺毛が出る.
ウスゲミヤマシケシダ(D. mucilagina M. Kato)は葉柄が太く,長く,40cmを超えることがあり,基部は粘性を帯びる.北海道,本州.
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